第3章 確信
響也side
病室から先程の2人が出ていき、すれ違いで俺は中に入った。
中では三上が俯き封筒を握りしめていた。
入る直前に小さい声で「死にたい」と聞こえた気がした。
「何かあったのか?」
俺は急いで三上に駆け寄った。
目が赤い。
泣いていたのか。
「あぁ…今日も来てくれたんだ。ごめん、何でもない。」
「なんでもないことないだろ。目が赤い。さっきの2人に何かされたか?」
三上の肩に手を添え話を聞こうとしたが手を振り払われてしまった。
「さっきの2人は俺の父親と爺ちゃんだよ。これを持って見舞いに来ただけ。」
布団の上にはお金と通帳が置いてあった。
「それは?」
「治療費……使えってことだよ。」
「……さっきの『死にたい』ってなんだ?」
「聞こえてたのかよ……」
三上は話したくないのか少し悩んで、震えた深呼吸をした。
泣くのを我慢しているのがわかる。
「話したくないなら…」
「俺の顔、みっともないってさ。」
俺の言葉を遮って話し始めた。
三上のその言葉を聞いて思わず「は?」と声が出た。
「これは治療費と整形代。このキズも早く治せだってさ。本当にそうだよね。別に整っちゃいないし。更に傷まで付けて。これじゃ誰も貰ってくれねぇもん。Ωの俺は優秀なαと番になって、優秀な子供を産むしかないんだよ。俺には何も無い。何も期待されてない。母さんからも見向きもされない。」
「そんなこと…」
三上は自分のことを否定し始めた。
口調からは怒りと悲しみ、そして悔しい気持ちが伝わってくる。
「俺はただ普通になりたいだけなんだよっ!なのに何でっ!」
声を荒らげて怒り始めた。