第1章 ヒーローとの出会い
千明side
なんなんだアイツ!
ムカつくっ!
そう思いながら再びベッドの上に倒れ込む。
スマホを取り出し時間と通知の確認をする。
時刻は朝の7時。
今から学校に行く気になんてなれない。
というより、この髪型にしてからは一度も学校に行ってない。
クラスメイトはきっと驚くだろうな。
担任も何度か家に尋ねて来てるみたいだけど会ってないし。
「退学……」
その2文字が最近は頭の中を過ぎる。
入学当初は大学受験して良い職場見つけてバンバン稼ぐぞって張り切ってたのが嘘みたいだ。
今では別にどうでもいい。
夢なんてものもない。
昨晩帰らなかったのにも関わらず母親からの連絡も来ていない様だ。
通知は0。
「はぁ……帰るって言ってもどこに行けばいいんだよ。」
そう1人呟き、リビングに行ってみることにした。
本当は人の家を許可なくウロウロするのは良くないことなんだろうが、むしゃくしゃしていた俺はお構い無しに見て回った。
「寂しい部屋だな……」
必要最低限のものしかない。
趣味というものもないのだろうか。
「ん?なんだこれ。」
写真立てが倒れているのを見つけた。
気になって写真立てを立て直そうと手に持った。
写真には優しそうに笑う綺麗な人が写っていた。
黒くサラサラしてそうな艶のある髪。
顔立ちも綺麗でモデルかと思うほど美人だ。
アイツの好きな人か誰かだろうか。
もしかして恋人?
……じゃああの部屋にあった抑制剤ってまさかこの人の……
αなのに持ってるのはおかしいと思ったんだ。
番なのか?
「…!そうだ!いいこと思いついた。」
この部屋で待ち伏せしてこの人が帰ってくるのを待っておこう。
修羅場確定じゃん。
アイツどんな顔すんだろ。
さっきのやり返しだ。
少しやりすぎかと思ったが後でちゃんと話せばいいだろう。
この人には申し訳ないけど……
そうして俺はこの綺麗な人が帰ってくるのを待つことにした。