第3章 確信
響也side
そのサイトに大きく「新作」と書かれていた。
下にスクロールをしていくと何枚かの画像が貼られていた。
顔はモザイクがかかっている。
だが、所々身に覚えのあるものが映っていた。
違和感を感じ、「サンプル動画」と書かれたボタンを押す。
「あー!ちょっと!俺の携帯で見ないでくださいよ!もしワンクリック詐欺だったらどうす……先輩?」
髪型、服装、背丈。
それにこの首から提げているリング付きのネックレス。
動画が流れ始めたと同時に嫌な予感がした。
動画でも顔にはモザイクがかかっており100%特定はできない。
「……三上…?」
「え?それって…」
たった1分の動画だったが内容は酷いものだった。
確かにこれが演技には見えない。
あまりにもリアルすぎる。
それにあいつがこんな事……いやでも、今はお金が欲しいと言っていた。
「……確かまだ17歳…でしたよね?これ……」
「……顔が分からない……違う可能性だってある。」
「先輩!でもこれ!」
合田が俺になにか説得しようとしてきたのを俺は止めた。
こんなのただ作り物だ。
格好も声もたまたま似てただけだ。
「仕事戻るぞ。それを仕舞え。頼む。」
「先輩……いいんすか……?」
「俺には関係ない。」
その後も忘れようと仕事に戻ったが、手の震えが止まらなかった。
何度も自分に「そんな事は無い」と言い聞かせた。
家に帰って来ないのも元彼と上手くいってるからだ。
違う……よな……?