第3章 確信
千明side
「せ、先輩!これって!んぐっ!」
状況が読めず、先輩に事情を聞こうとしたが口を塞がれた。
先輩は部屋の隅で耳を塞いで縮こまっていた。
その姿を見て俺は絶望と共に、その人の事を物凄くダサいと思った。
何でこんな人の事を好きになったんだろう。
何でノコノコついてきたんだろう。
「んー!」
逃げようと暴れるが3人の男に体を抑えられ身動きが取れない。
周りをよく見渡すとカメラがあった。
全てのカメラの赤い光が点滅している。
撮られている。
俺の口を塞いでいる手を噛み、周りの男達が驚いた隙にその他の腕も振り解き急いで入口へ走る。
だが___
「はぁはぁ……んぶっ!」
頭に強い衝撃が走った。
視界も歪み、音も聞こえが悪くなる。
なんだ……これ……
少しずつ視界がはっきりしてきて、何が起きたかやっと理解出来た。
先輩が俺の足を掴んで転ばせたのだ。
その勢いで俺は頭を扉で打ったようだ。
幸い切れはしなかったのか出血はしてない。
「せ…んぱ……どう、して……」
「お前はその男に利用されたんだよ。」
ボスらしき人が俺に近づき頭を掴む。
「利用……された?」
「俺らから借りた金を返せないからと、良いΩを知ってるって提案してきたんだよ。それで借金チャラだ。お前には稼いで貰うからな。」
「稼ぐって……どうやって……」
「体に決まってるだろ。Ωに出来ることなんてそれくらいしかないだろ。」
その言葉に周りが笑っている。
あぁ、そうか。
俺はΩだ。
体を売るしか出来ない。
認めたくなくてもそれが事実。
実際にAVで稼いだり、風俗やったりしている人達は少なくない。
その事実を改めて実感し、俺は抵抗する気にもなれなかった。
もう逃げられない。
「よし、始めろ。」
その言葉を合図に俺の服は無理矢理男達に剥がされていった。