第3章 確信
響也side
「はい、水。体の中の水分無くなってるだろうから水分補給したがいいぞ。」
そう言って三上が俺にコップいっぱいの水を渡してきた。
俺がそれを受け取ると三上はキッチンへ向かいクロに餌をあげていた。
そのまま片付けをし始めた。
体は落ち着いているのだろうか。
「俺がやるからお前は休んでおけ。」
そう言ったが、「さっきまで吐いてたやつが言うな。」と言い返され三上は黙って片付けを続けている。
「え、クロもう食べたのか?お前早すぎだろ。」
肩に乗ってきたクロを撫でながら楽しそうにしている。
三上を泣かせたくない。
もし俺が抑制剤を飲んでいなかったら、昨日みたいに勝手に体が動いて襲っていたかもしれない。
アイツが嫌がるようなことはしたくない。
そう思って気づくと抑制剤を大量に飲んでしまっていた。
これも俺がしっかり自己管理出来ていないのが悪い。
『俺のせいで』
三上が言ったあの言葉は間違っている。
俺がそうしたくてしたんだ。
「なぁ聞いてる?」
「ん?」
「まじで大丈夫?珍しくうわの空だったぞ?」
三上が可愛く見えているのは疲れているからなのだろうか。
全くタイプじゃないはずなのに。
「お前、やっぱその髪型似合ってるぞ。」
「へ?なに急に//」
照れた顔も、素直じゃないけど顔には出てる所も。
可愛いと思えてしまう。
……弟みたいなものだろうか。
年齢的にもちょうど兄弟くらいだろう。
コイツには幸せになって欲しい。