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【R18】俺のヒーローはαでした

第2章 予感


千明side

「先、休憩入ります。」

店長にそう告げ、裏口から外に出る。
時刻は11時。
これからもっと客が増えるだろうからと休憩を勧められた。

昼食を済ませるついでにコンビニに行こうと歩き出すと微かに鳴き声が聞こえた。
子猫だろうか。
声のする方へ向かう。
少し歩いた先にダンボールに入った子猫がいた。
捨てられてしまったのだろうか。
腹を空かせて泣いているようだった。

「腹空いたのか?」

抱き抱えるとか弱く鳴いた。
このままでは可哀想だと思い、コンビニではなくスーパーに寄り、子猫用のミルクを買った。

「待ってろ。すぐ飲ませてやるからな。」

一緒に買った器にミルクを入れ近くに置いてみるとすぐに飲んだ。
まだ小さいのに捨てられたのか。
飼ってあげたいが……今の俺は居候させてもらってる身だしな……
佐野に関しては動物好きじゃなさそうだし……
絶対反対される。

「ごめんな……連れて帰れねぇんだよ。」

また帰りに様子を見ようとバイト先の店の近くに子猫が入ったダンボールを持っていくことにした。
店長に事情を話すと分かって貰えたようで了承を得ることが出来た。
昼食を摂ることは出来なかったけど、子猫を助けれて良かったと安心した。

帰りにも子猫の様子を見て、ミルクをあげた。
俺の事を母親か何かと勘違いしているのか、帰りがけに足の上に乗ってきた。

「だめだ。俺も家が無いし。飼い主探してやるから待ってろ。明日も来るからな。」

そう言うと、子猫は「みゃあ」と先程よりは元気のいい声で鳴いた。
それからは毎日子猫に会うようにした。
名前も「クロ」と仮にだが名付けた。
店長もたまにクロと遊んでいるようだ。
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