第2章 予感
千明side
退学するための手続きや書類に目を通す。
やっぱり親の印鑑やサインがいるようだ。
試しに母親に電話をかけてみたが出なかった。
1度家に帰るしかないようだ。
すると先輩からメッセージが届いていた。
『ちょっと会えないか?』
その文章を見て少しドキッとした。
嬉しいのか?
それとも怒り?
分からない。
でもこの胸が熱くなる感じは先輩を好きになった時と似てる。
やっぱりまだ好きなのだろうか。
一体何の用なのだろうかと疑問を持ち、返信した。
『時間が出来たら連絡します。』
傍から見ても俺はこれだと都合のいいヤツなのだろう。
それでもいい。
もしかしたらよりを戻せるのかもしれない。
そしたらここを出て佐野にも迷惑がかからなくなる。
「……大丈夫……だよな……」
そう呟いて天井を見上げる。
明日も朝からバイトだ。
早めに寝よう。
そう思い、俺は電気を消した。