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【R18】俺のヒーローはαでした

第2章 予感


響也side

「ただいま。」

家に帰り着くと奥の方から「おかえり。」と三上が顔を出した。
まだ制服のままのようだ。
玄関を上がり、洗面台に向かい手を洗う。

「今丁度飯できたけど、先に風呂入るか?」

「いや、先に飯食べる。」

はいよ、と返事をした三上はテーブルの上に食事を並べていく。
俺もそれを手伝い席に着く。
頂きます、と2人で手を合わせ箸を握ろうとした時、テーブルがブルブルと震えた。
三上の携帯が鳴っていたようだ。
電話なのか中々震えが止まらない。

「電話か?出たがいいんじゃないか?」

「あー……いや、いい。」

1度携帯の画面を確認すると、再び画面を伏せ携帯を置いた。
少し気まずそうな顔をしている。
落ち着かないのか少しソワソワしているようにも見えた。

「誰からだ?こんなに鳴ってるって事は急用なんじゃねぇのか?」

「あー……うん……」

答えるのを迷ったような素振りを見せ、口を開いた。

「元彼……なんだよね。」

その言葉を聞いた瞬間、何故か胸が痛くなった。
チクチクと刺されるような感覚だ。

「……そうか……」

三上の首元にはまだリングの付いたネックレスがぶら下がっている。
それを時折触っているのを俺は見たことがある。
触る時はいつも辛そうな顔をしている。
今もそうだ。
苦しそうな顔で触っている。
俺は無意識に

「まだ好きなのか?」

と聞いてしまった。
こんなこと聞いて何になる。
だが、気になってしまった。

「……どうなんだろ……わかんないや。」

その言葉を聞いて更に胸が苦しくなってしまった。
これが何なのか俺には分からない。
ただ、どこかでショックを受けているのは分かった。

「そう……か……」

しばらくすると携帯は鳴り止み静かになった。
諦めたのだろうか。
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