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【R18】俺のヒーローはαでした

第2章 予感


響也side

仕事中に三上が小さい男の子を連れて交番にやってきた。
迷子だった子を見つけてくれたのか、弟が居なくなったと交番を訪れて来た女の子が抱きついていた。

「良かったな、見つかって。次からはちゃんとお姉ちゃんの言うこと聞くんだぞ。」

「うん!ありがとうお兄ちゃん!今度一緒に遊ぼうね!」

「暇があればな。あ、そうだ。」

思い出したかのようにスクールバッグから絆創膏を取りだした。
すると、男の子の前に座り込み怪我をしていた所に貼り付けていた。

「さっき持ってたの思い出したから。これでいいだろ。気をつけて帰れよ。」

「うん!またね!お兄ちゃん!」

男の子は手を振り、お姉ちゃんと手を繋ぎながら帰って行った。
三上は手を振り返して、姿が見えなくなったのを確認すると手を振るのをやめた。
安心したのか眉を八の字に垂らして笑みを浮かべていた。

その姿を見て俺は胸が締めつけられるのを感じた。
三上、意外と優しい所あるのか。
子供にも好かれるようだ。

「ん?何だ?」

「いや、何でも……」

そう、と言うとスクールバッグを反対の肩に掛け直した。

「俺先に帰るわ。後でな。」

「……あぁ……」

手を軽く振りながら歩いていった。
ぼーっとしていると後輩の合田が後ろから声をかけてきた。

「あー!誰かと思ったらこの前佐野先輩が連れてきた不良少年!髪型変わってて気づかなかったっす!え!一緒に住んでるんすか……?」

「……まぁ、色々あってな。」

「……それバレたら色々まずくないっすか?俺は別に誰かに言ったりはしないっすけど……もしかしてあの子の事好き……とか?」

その言葉を聞いて俺は慌てて否定した。
心の底から。
それは絶対に無いと。
そもそもタイプじゃない。
未成年だし。

「へー……俺結構タイプかも……狙っちゃっていいっすか?先輩。」

「あ?」

思わず睨んでしまった。
何故か腹が立った。
取られたくない、そう思ってしまった。
好きじゃないはずなのに。
何故かモヤモヤする。
久々にΩと一緒にいるから勘違いしてしまってるのかもしれない。
そのうち落ち着くだろう。

俺は何度もそう言い聞かせ、仕事に戻った。
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