第2章 予感
千明side
「見つかんねぇなぁ。」
「うん……」
30分程探し回ったが、見当たらなかった。
アイスを食べ終えた後、頑張って歩くと言い出した為手を繋いで一緒に歩いて探していた。
それも疲れてきたのか歩くスピードが落ちてきていた。
こんなに小さいんだ。
これだけ歩けば疲れるだろう。
あと行く場所としたら……
ここまで探しても見つからないとなると、大人の力を借りるしかない。
ちょうどこの近くにあったはずだ。
「いっぱい歩かせてごめんな。あと少しだけ頑張れるか?無理ならまたおぶってやるぞ?」
「……頑張る。」
「そっか……お前凄いな!かっこいいぞ!」
そう言って頭を撫でて褒めた。
不安でいっぱいなんだ。
体も疲れてる。
ならせめて言葉で癒してやるしか俺にはできない。
再び手を繋いで歩き出した。
到着した場所は交番。
ここならなんとかなるだろう。
「すみませーん。迷子見つけたんすけど……」
交番に入り声をかけると同時に男の子が走り出した。
「お姉ちゃん!!」
椅子に座る赤いランドセルを背負った女の子がいた。
4年生くらいだろうか。
どうやらこの子のお姉ちゃんの様で、女の子も涙目になって駆けつけていた。
「お姉ちゃん、わがまま言ってごめんなさい……」
「ううん、お姉ちゃんも強い言い方してごめんね。」
無事会えたみたいで安心した。
俺自身もほっとして、体の緊張がほぐれた。
微笑んで2人を見ていると、
「三上?」
「……佐野!?」
そうだった、コイツ警察だった!!
すっかり忘れてた……
けど……
初めて見る警察の格好をした佐野は凄く格好良かった。
というかどこかエロく感じる。
「っ//」
「顔赤くしてどうした?」
「なんでもねぇよ!//」