第2章 予感
千明side
結局見つからず、その男の子とスーパーまで来てしまった。
不安なのか先程よりも俺の背中で震えてるのがわかる。
ここに来るまでの間、男の子から迷子になった経緯を聞いた。
公園で遊んでいた所、喧嘩になってしまい離れ離れになったようだった。
お姉ちゃんの方は恐らく帰ると言って置いていってしまったのだろう。
この子はまだ小さいからか、帰り道が分からずお姉ちゃんを探し回っていた所で俺が通りかかった。
「うぅ……お姉ちゃん……」
「はぁ、ちょっとここで待ってろよ。絶対にどこにも行くな。」
「うん。」
スーパーの出入口の邪魔にならない所に座らせ待っておくように言う。
俺は中に入り、用事を済ませ男の子の所へ戻ってきた。
「チョコとバニラ、どっちが好き?」
男の子の前にしゃがみこみアイスを差し出す。
思わぬ出費だが、まぁこれくらいたまにはいいだろう。
「遠慮すんな、好きな方選べ。」
「チョコ……」
「ほらよ。」
アイスのパッケージを開け、手渡すとお腹が空いていたのかすぐにかぶりついていた。
「ぷっはは!いい食いっぷりじゃん!食べたらまた探しに行くぞ?」
「うんっ!」
気の所為か、少し元気になったように感じた。