• テキストサイズ

【R18】俺のヒーローはαでした

第2章 予感


千明side

放課後になり、部活に行く者、勉強をする者、帰る者、それぞれが校舎内に散り散りになった。
俺はこの後買い物をして夕ご飯を作る予定だ。
学校のバスに乗りこみ最寄りのバス停まで向かう。

今日は何にしようか。
佐野が帰ってくる時間も考えて作らねぇとな。
スマホの画面を見てスケジュールの確認をする。
佐野は帰り19時頃か。
……あれ、俺そろそろ発情期か。
薬あったかな。
今は佐野と住んでるし、しっかり抑制剤を飲んでおかないと迷惑をかけてしまう。

1ヶ月前までは晃大先輩と住んでいたけど飲まずにいた。
いつも発情期が来た時は先輩が相手をしてくれていたから。

「……何やってたんだろ……俺。」

あまりにも不用心だった少し前までの俺に呆れてしまう。
いくら好きだと言えど、抑制剤を飲まずに誘惑していたと考えるだけで死にたくなる。
実際、先輩は俺に対して既に恋愛感情は失っていただろう。

それでもまだ忘れずにいる。
好きなのかは分からない。
でも、やはりこのリングは捨てれない。


最寄りのバス停に着き、家近くのスーパーに向かう。
公園の横を通り過ぎると子供達の賑やかな声が聞こえてきた。
楽しそうに遊んでいる。

可愛いな。
そう思いながら心がほっと暖かくなるのを感じた。

「うぁぁん!お姉ちゃーん!どこー!」

歩く先に泣き喚く小さな男の子がいた。
4歳から5歳くらいだろうか。
迷子になってしまったのかキョロキョロと辺りを見渡している。

「どうした?迷子か?」

男の子の目線になるようにしゃがみ、声をかける。
驚いた表情をした後、少し安心したのか再び泣き出してしまった。

「泣くな泣くな。誰と来てたんだ?」

「う、うぅ……お姉ちゃん……」

「そっか……お兄ちゃんが一緒に探してやるから。一旦泣きやめ。」

「うん……」

途中で転んでしまったのか、膝から血を流しているのがわかった。
俺は男の子をおんぶし、スーパーまでの道を歩きながらその子のお姉ちゃんらしき子を探した。
/ 53ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp