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【R18】俺のヒーローはαでした

第2章 予感


響也side

三上と同居し始めて1ヶ月。
少しずつ生活に慣れてきた。
あいつの作る飯も美味い。
意外と器用なのか?

俺が帰り着き、晩御飯を一緒に済ませた後、三上はすぐにバイトへ向かう。
目的のために頑張るのは良いことだが、無理しすぎている様な気がする。
まだあいつは子供だ。
大人である俺が守らないといけない。
それでも三上は首を縦に振らない。

良く考えればαの俺とΩのアイツが一緒に住んでいることは傍から見れば考えられない事だ。
付き合ってもいない。
それに未成年だ。
絶対に一線越えてはならない。
だから俺はいつアイツに発情期が来てもいいように毎日抑制剤を飲んでいる。

「ただいま。」

仕事から帰り着くと玄関まで晩御飯の匂いが漂ってくる。
三上が今作っている途中なんだろう。
玄関を上がり、リビングに向かう。
扉を開けるとより匂いが充満してくる。

「ただい……ま……」

台所を見るといつも立っている金髪くせっ毛の頭ではなく、黒髪ストレートの三上が立っている。
それが何故か俺には……

「優……?」

俺の元恋人、優に見えた。
優はよく俺が帰ってくると台所に立ち晩御飯を作ってくれていた。

『おかえり、響也。』

優の姿を思い出す。
気づくと俺は、その後ろ姿に抱きついていた。
背丈も同じくらいだ。
匂いは違う。
それでも俺には今の三上の姿が優と重なって見えた。

「ちょっ……佐野!なにやって//」

「頼む……少しだけ……」

初めは俺を引き剥がそうとしていたが、何を思ったのか三上は前を向いたまま、後ろから抱きついた俺の頭をそっと撫でた。
あぁそうだ。
優もよくこうやって頭を撫でてくれてたな。
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