第1章 ダンデさん
外に出るとアーマーガアタクシーが待っていた
「いつもありがとうございます チャンピオン」
「いやこっちもありがたい」
「それで今日はどこまで?」
「タープタウンのシーフードレストランまで」
「し、シーフドレストラン!?」
「嫌いだったか?」
「いや好きですけど…」
なぜシーフード…
よりによって好きなシーフードか…
断りずらい…
「なら行こうか!」
「は、はい」
タクシーに乗り込む
「あ、あの」
「ん?」
「シーフードレストランってドレスコードあるんじゃ…」
「個室で予約してあるから大丈夫だ!」
「こ、個室!?」
最悪だ、チャンピオンと2人っきりになるのか…
何を話せばいいんだ…?
毎年負けていたことか?いやチャンピオンの強さの秘訣か?ほんとに何を聞けば…
てかなんで終始ご満悦なんだよ…
「そういえばキバナが君がうちのジムに来てくれたら鍛えがいがあるのになーって言ってたぞ!」
「あ、そ、そうなんですね」
いやあたしはそれを聞いてなんていえばいいんだよ!
そんな緊張も怒りも置いてきぼりにされタクシーはレストランに着いてしまった
「ありがとう!」
「またのご利用をお待ちしておりますぜ!チャンピオン」
「さあ行こうか」
差し伸べられた手を無視する訳にもいかず手を取り店に入る
「お待ちしておりました」
店の中に入ると個室へと案内された
個室はターフタウンの夜景と水タイプのジムがみえた
「すごい…」
見とれているとチャンピオンが
「ここいいだろ?」
と聞いてくる
私は思わず
「はい!」
と今までで1番いい返事をしてしまう
それを聞いてふふと笑うチャンピオンを見て恥ずかしくなりササッと席に着く
「本日のコースは………」
何を言ってるか分からない…
呪文のような料理名
ダンデさんが全部受け答えをしてくれた
全ての説明が終わりお店の人が下がっていく
「ここ綺麗だろ?」
「そ、そうですね」
「いきなり君を連れてきてしまったのは申し訳ないと思っている だが君と来たいと思って誘ってしまったんだ…すまない……」
君を連れてきたい…………!!!?
「え、え、それはどういう…」
ダンデさんが顔を赤らめる
はぁーそういうこと!?
私なんでビビってたんだろう
自分が馬鹿らしくなってきた