第1章 初詣
「大体の事情は宇髄から聞いた。俺のせいで、手間を取らせて済まない。お詫びと言ってはなんだが、これを受け取っては、貰えないだろうか……」
風呂敷を手渡して目を伏せる冨岡を見て、彼女は促されるまま、それを受け取る。
結び目を解いて出てきたものは。
女物の振袖であった。
白地を基調としたその振袖には藤色の扇に綾紐、手毬が刺繍されており、何とも雅な色合いである。
「これを着て、俺と明日……初詣に来て欲しい」
「……はい///」
それはそれは嬉しそうに。
笑顔でそれを了承した白藤を見て、宇髄もそっと息を着いた。