第1章 初詣
そんな、何となく気まずい空気の中。
「ちょっと、良いかー?」
助け舟の様に部屋を訪れた宇髄に、その場の全員の緊張がほんの少しだけ和らいだ。
「邪魔するぞ」
「はい、天元様」
雛鶴が襖を開けると、そこに居たのは宇髄だけではなく……
「義勇さん……」
驚いたのは、白藤だけではない。
「天元様!何で、連れて来ちゃったんですか!」
「そうですよ。主役を呼ぶのが早すぎます!」
「何だよ、お前ら……」
まきをと須磨の猛追に天元は首をすくめる。
「おい。冨岡、ちゃんと声かけてやれよ」
「……っ、白藤」
「何でしょう、義勇さん……」