第3章 悩みに悩んで結局ベタなものになっちゃう。
「ところでアキ、俺に渡すもんは?」
まさかの催促。
予想外の催促。
「えっ。その、あの…」
「はぁ。どうせお前のことだ。
悩みすぎて決められなかったとかそんなとこだろ。」
なんだ今日は。図星Dayなのか。
「す、すいません。」
あぁ、もうこのまま消えてしまいたい。
恋人の誕生日に何も渡さない彼女とか何?
可愛くなさすぎる。
「ったく。別に構わねぇよ。」
私の頭を撫でながら土方さんは慰めるようにそう言ってくれた。
「俺はこうやってるだけで十分だ。」
「んっ…」
そう言って、土方さんはチュッと音を立てて私の首筋に触れるだけのキスをした。
急な感覚に全身にゾクッと電流が走る。
「……」
「…?土方さん?」