第4章 気になる
國神は外に出て、を探していた。
國「はぁ…はぁ…どこだ?」
國神はが向かった方向に何があるかを思い出した。
國「もしかして…」
國神は飼育小屋へと向かった。
目的地へと着くと、探していた人物がそこにはいた。
「ほらまたケンカしないよ、こっちにもたくさんあるでしょう?」
は1匹のウサギを抱き上げもう一つの餌入れの方に移動させた。
「美味しい?」
そう言って撫でるは優しい眼差しで微笑んでいた。
國「……」
そんなの表情に國神は小屋の網越しではあるが、目を奪われてしまった。
視線を感じたは顔を上げた。
「ん?あ…國神くん」
國「あ…よ、よう」
の言葉に我を取り戻した國神はようやく声を発した。
も小屋から出てきた。
「どうしたの?こんなところで」
國「あ、いや…」
國神は首に手を当て気まずそうに顔を逸らした。
を見かけて追いかけてきたとは言えなかったのだ。
國「お前こそ、何してるんだ?」
「私はいつもこの子達にご飯をあげに来てるの」
國「毎日か?」
「うん」
國「大変じゃねーの?」
「んー、全然?」
は置いていた餌を持つと歩き出した。
それに合わせて國神も歩き出す。
國「誰かに頼まれてやってんのか?」
國神はの持つ餌を取り上げながら言った。
「ありがとう。ううん」
國「じゃあお前がやる前は誰がやってたんだろうな」
「芹澤先生があげてたみたいだよ」
國「へぇ〜。芹澤か…」
「うん」
國神は芹澤があまり好きではなかった。
何がと言うわけではないが、何故かあまりいけすかなかった。
國「なんでお前がやるように?」
「この子達のご飯は誰があげてるんだろうと思って、芹澤先生に聞いたら自分があげてるって言ったから、私があげるって言ったの」