第4章 気になる
その日から國神はのクラスの前を通るたび、がいるかどうかを見るようになった。
そしてある日の昼休み
國(今日もいねぇな…いつもどこに行ってるんだ?)
友人A「なーに、國神くん。最近よく5組の方行くし見てるじゃん。気になる子でもいるの?」
國「あぁ?」
友人B「何言ってんだ、このサッカーバカに気になる奴なんてできるわけねーだろ。それに、こいつにはもうお似合いの相手がいるじゃんか」
友人A「お似合いの相手?」
来「錬くーん!」
ギュッ
そう言って後ろから國神に抱きついてきたのは来実だった。
友人B「うちの学校のマドンナ、来実ちゃんだよ」
友人Bは國神に抱きつく来実を指差しながらウインクをした、
友人A「なるほどね。たしかに、美男美女で、身長差もお似合いだな」
國「んん…来実どうした?」
國神はまたも自然に絡まった腕をほどきながら来実に向き合った。
来「あのね、ウォータージャグを洗いたいんだけど、まだ昨日の中身が入ってて、来実重くて持てないの。だから錬くん、手伝って?♡」
もちろん、昨日の中身を残したのはわざとである。
國神と一緒にいるための口実を作ったのだ。
國「あぁ、了解」
来「やったぁ♡ありがとう〜♡」
そう言って来実は國神の腕を組んで、歩いた。
友人B「國神、、、羨ましい、、俺、、、」
友人A「んな」
来「錬くんさぁ、あんまり女の子に興味ないの?」
國「…ん?あ、ごめんなんか言ったか?」
國神は来実と歩いていながらもを探していた。
すると、窓の外にの姿を見つけた。
何やら手に大きな荷物を抱えているようだった。
来「だから〜、錬くんは女の子に興味…」
國「悪い、急用思い出した。ジャグは他のやつに頼んでくれ」
来「え、ちょ、錬くん…」
國神は来実の言葉を遮り、いつもよりも乱暴に腕を解くと走って行った。
来「なんでなの…なんでよ!」
来実は手を握りしめ悔しそうに歯を食いしばっていた。