第4章 気になる
國「芹澤と仲良いの?」
「仲良いっていうか生物の教科員だし、帰宅部だから頼み事されやすいってだけだよ」
國「ふーん」
國神は気づいていた。
は聞けば答えてくれるが聞かない限り自分のことは話さない。
だからもっといろんなことを聞いて、を知りたいと思った。
なぜ知りたいと思うか、その答えは國神にはまだわからなかった。
國「俺も、手伝うよ」
「なにを?」
國「餌やり」
「大丈夫だよ。國神くん、サッカー部の次期エースなんでしょ?朝も昼も夜もサッカーに夢中だって聞いたよ」
國「いやそれは…」
「なのに正々堂々、誰にでも分け隔てなくて、かっこいい、とも。」
國神は照れながら少し頭を搔いた。
「モテモテなんだね、國神くんは」
國「一体誰がそんなこと…」
「クラスの女の子たちが言ってた。多分前から言われていたんだろうけど、私あんまりそういうの聞いてなくて、知らなかったんだ。ごめんね」
國「いや、そんなお前が謝ることは何も…」
「でも分かる気がするよ。みんなの気持ち。」
國「え?」
「國神くん、身長も高くて体格もいいし、爽やかで優しい。まるでヒーローみたいだもんね」
國「あぁ…」
國神は固まってしまった。
「もうすぐそこだから、持ってくれてありがとう。またね」
そんなことを知らないはそう言うと、國神から餌の袋を受け取り、生物学準備室へと入ろうとした。
國「あ、おい!」
國神はそんなを見て急いで呼び止めた。
「?」
國「明日また、餌のあげ方教えてくれねぇか?昼の練習なら、少しくらい、大丈夫だから」
「うん、分かった。いいよ。それじゃあまた明日」
國「おう」
は今度こそ中へと入っていった。