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ヒーローは実在した【ブルーロック】

第3章 きっかけ


國「くそっ、俺としたことが…」
國(練習の時間減っちまうじゃねーか)

珍しく忘れ物をしてしまった國神は、目的のものを取り、廊下を走っていた。
するとちょうど階段に差し掛かった時、ノートの山を抱えた誰かが階段を転げ落ちそうになっていた。

國「!?」

國神は一瞬驚いたが、流石の反射神経である。
すぐにその人物を抱き止めた。



ポスッ




國「大丈夫か?」

國神は抱き止めた人物の顔を覗き込んだ。

「は、はい…」

も國神の言葉に顔を上げた。

國「!?」

國神は顔を見た瞬間分かった。
毎朝花に水をやりに来ている、例のあの子だと。
なぜかはわからない。
だがしかしわかった。

「あの…ありがとうございます…」

は顔を赤くしてお礼を言った。

國「あ、あぁ…。怪我はないか?」

「はい…。…あの、もうおろしてもらって大丈夫ですので…」
は國神の胸をか弱い力で押し返した。

國「あ…わ、わりぃ…」

國神はをそっと下ろした。

はスカートをさっと直し、國神の方を向き、丁寧にお辞儀をした。

「本当にありがとうございます。たぶん、あなたがいなかったらここから下まで落ちてました」

そう言うとはバラバラになってしまったノートを拾い始めた。

國「………。あ、い、いやお礼を言われることは何も」
國神は最初ボーッとのことを見つめてしまったが、我に帰りノート拾いを手伝った。

「大丈夫ですよ。これ以上お手を煩わせるのは申し訳ないので…」

國「いや大丈夫だ。こんな量、1人で持ってたらそりゃああなる。手伝うよ」

「急いでませんでした?」

國「あー…まぁ、大丈夫だ」

いつもサッカー優先の國神が、初めて他のことを優先した瞬間だった。

「優しいんですね。ありがとうございます」

微笑んでいたわけではないがそう言うの目は優しかった。

國「っ…」

そんなを見て、國神は1人頬を赤くした。








?「チッ…」

この時2人を密かに見ている人物がいたことを、当人たちは知る由もなかった。
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