第6章 不穏
芹「あぁ、泣くなんてなんと無意味なことを…そんなもの、私をもっと興奮させる材料の一つでしかないと言うのに…」
そう言って芹澤はのブラウスのボタンを一つ一つ外して行った。
「んー!んーんー!」
芹「やめてと言いたいのでしょうが私にはこう聞こえてしまいます。"もっと"と。」
そして最後までボタンを外した。
「ひっく…ひっく…」
芹「君は本当に優秀だ…僕の欲しい表情をしてくれる…そんな優秀な君にもう一つ絶望的な事実を教えてあげよう」
芹澤はの耳元に口を寄せた。
芹「君があのウサギに良薬だと思って飲ませていたものは、体を弱らせるための薬だ」
は芹澤の言った通り絶望した。
ウサギのためにやっていた自分の行動が、このような目に合わせてしまったと。
はもう泣くのをやめ、項垂れた。
芹「あぁそれもグッド!素晴らしい反応だ!それじゃあ今日のメインイベントと行こうか」
芹澤はウサギに首輪をつけ鎖をつないだ。
そしてあろうことかメスを取り出した。
はぐったりとしたまま、ウサギの方を見た。
芹「これから何をするのか不思議な顔をしていますね。教えて差し上げます。解剖ですよ!生きたままねぇ!」
は正気を取り戻した。
それだけはやめて欲しかった。見たくなかった。
「んー!んー!」
必死に首を横に振った。
芹「何度でも言いますが、その表情は私を煽っているんですよ。ンフフフ。」
芹澤は笑顔でメスを振り下ろした。
も思わず目を逸らす。
しかしちょうどメスがウサギに届いてしまいそうなその時、
ガチャガチャガチャッ!!!
國「おい!天羽!いるんだろ!」
「んーー!」
は顔を上げた。
芹「全く、彼はいつも邪魔をしてくれるな」
國「今開けてやる!」
國神は扉を力ずくで押して外した。
國「天羽!」
の姿を見つけるとすぐに駆け寄り優しくガムテープを外した。