第5章 お邪魔虫
来「は…?私が…拒否された…?あんな中の上の女に錬くんのこと取られたの…?冗談でしょ…まあいいや。顔と名前とクラスは分かったし。見てなさい、こんなことで諦めないから」
来実は次の日も来ることを決めた。
國神は少しムッとしているようだった。
「國神くん」
國「なんだ?」
「あの、手…」
は國神に掴まれたままだった腕を見て言った。
國「あ!わ、わりぃ…」
その言葉でようやく國神はの手を離した。
「ううん、それより良かったの?行かなくて」
國「あぁ、サッカー部なんて山ほどいるしな」
「来実さんは國神くんに来て欲しそうだったけど…」
國「誰にでもああなんだ、来実は。俺が特別ってわけじゃねぇよ」
「そうなんだ…来実さんは、可愛らしい人だね」
國「そうか?」
「うん、あんな明るさと積極性が私にもあったならまた違ったんだろうな」
國「俺は今のままの天羽が1番いいと思うけどな」
は先程まで少し黒い感情が渦巻いていた。
しかし今の國神の言葉でそんなものはどこかへ行ってしまった。
「…ありがとう」
こうしてこの日は2人で餌やりを終えた。
しかし次の日。
来「それ、くぅも一緒に行ってもいい?」
またもや来実がやってきた。
國神とは顔を見合わせた。
「私は構わないけど…」
國「…好きにしろよ」
来「やったぁ♡ウサギさんに餌あげるの楽しみー」
なんと3人で餌やりに行くことになってしまった。
ウサギ小屋に入ると案の定ウサギたちは逃げた。
来「えー!ウサギさんみーんな隠れちゃった…悲しい…」
来(可愛くないウサギ、なんなの逃げるように隠れて)
「慣れれば逃げなくなるよ。ウサギって警戒心が強いから初めての人がくると隠れちゃうの」
来「へぇー!そぉなんだぁ!」
来(ま、そんなことどうだっていいんだけどさ。錬くんといたいだけだし)
「うん。國神くんも最初は怖がられていたよね」