第4章 気になる
翌日の昼休み
國神は昼食を急いで食べ終え、生物学準備室へと向かった。
ガラッ
扉を開けるとそこには弁当を食べるの姿があった。
國「あっ…」
「國神くん」
國「ここで昼食ってんだ」
「うん。早いね。行こっか」
はまだ明らかに食べている途中なのに弁当を片付け始めた。
國「いや、そんな急がなくても、食ってからでいい」
「ううん、待たせちゃうから」
は席を立とうとした。
しかし國神に優しくだが少し力強く肩を抑えられ、それは叶わなかった。
國「俺はちゃんと待つし、別に待たされても何も思わねぇよ。だから食ってから行こう。な?」
はフッと笑った。
「ありがとう」
諦めたはまた弁当を開いて食べ始めた。
國神はの隣に腰掛けた。
「國神くんは、本当に優しいよね」
國「普通だろ」
「そんなことないよ。人間は、3分待つとイライラし始めるって言われてる。けど國神くんはちゃんと待ってくれてる」
國「俺はそうやって人を気遣える天羽のほうが優しいと思うけどな」
「…」
は驚いた顔で國神を見つめた。
國「なんだ?」
「いや、そんなこと初めて言われたから…びっくりして…」
國「そっか…」
2人の間に気まずい沈黙が流れた。
「ありがとう。そんなふうに言ってくれて」
沈黙を破ったのはだった。
國「あ?おう…食い方、綺麗だな」
「そう?」
國「うん、いつも俺が男と食ってるからかな」
「そうじゃない?でも、ありがとう」
は弁当を食べ終え、片付けた。
「終わったから行こっか。待っててくれてありがとう」
國「おう」