第4章 気になる
國神は教室に戻る途中の言葉が頭から離れなかった。
"まるでヒーローみたいだもんね"
國(やばい…俺、もうどうしよう…)
國神は1人顔を赤くし、サッカー以外に夢中になりそうなものができてしまう予感がしていた。
準備室に入ると、
芹「お、ちょうどいいところに来てくれました」
「先生、どうかなさいましたか?」
は餌をしまって芹澤のそばに行った。
芹「ちょっとこのモニターが重くてですね。向こうに移動したいのですがこないだ腰を痛めてしまって…」
「運びますね」
は想像以上の重さに顔を歪めた。
「っしょっと…ここでいいですか?」
芹「ええ、ありがとうございます。いつも助かります」
「いえ。あとは大丈夫ですか?」
芹「えぇ」
「では失礼します」
はお辞儀をして踵を返そうとすると
芹「そうだ、ウサギ小屋に最近少し元気がない子がいるでしょう?」
「そう…でしたか?すみません、気づきませんでした。」
芹「次行った時見て、この薬をその子に毎日少しずつ与えてください」
芹澤は小さな瓶に入った透明の液体を渡してきた。
「毎日…ですか?」
芹「はい。一気にだと、嫌がって飲まないでしょうから」
「分かりました。では今度こそ失礼します」
芹「絶対忘れないでくださいね」
が準備室を出ると芹澤はそう呟いた。