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Mの事始-人妻、野々花

第2章 離婚か風俗か


夫にとって最善の選択は、たぶん、わたしと離婚して、別の人と再婚して、子供を作ることじゃないかと思った。

高校生や大学生の頃に、何度も、

「俺は一人っ子だから、たくさん、子供が欲しい」

と、言っていた夫の熱意を思い出して、夫に対していろいろ思うところはあったけど、夫に対して、迷惑を掛けているって自覚はあったわ。

それに、夫は、子供が欲しいと言い続けていたけど、わたしは、そこまででもなかった。

6人姉妹の末っ子で。男の子が欲しかった親からは余計な子扱いだったからかもしれない。

そもそも、子供が欲しいのは夫。

わたしは、そこまででもないのに、なぜ、不妊症で不妊治療までして、出産しなくてはいけないの・・・って思うところまで、一気に、セクシーランジェリーを着ても、迫ってこない夫を見て、思考が飛躍していった。

わたしのそんな思考にまったく気が付いていない夫は、

「どう?こういう恰好で、知らない男の前に出て行ける?」

と、風俗で働くことを前提に話をしていた。出て行ける?って、幼馴染の夫の前でも恥ずかしいのに、見ず知らずの男の人の前に出られる訳がない。

でも、風俗で働くということはそういうことに平気になれないと無理。もしくは、そういう境地に自分を追い込まないと・・・。

「無理。というか、必要ある?静也は、子供が欲しいのよね」

と、わたしが話すと、当然という感じで、頷く夫。

「わたしは、べつに子供が欲しいとは、静也ほどは思っていないから。静也が子供が欲しいなら、わたしと別れて、他の女の人と再婚したほうがいいよ。そうしたら、静也もアルバイトする必要もないし、わたしも風俗で働く必要もないから」

と、一気にわたしが話すと、驚いている夫。

「静也は、高校時代だって、大学時代だってモテたもの。今からでも新しい人がみつかるわ」

と、話すと、

「何を言い出すんだ」

と、戸惑う夫。そう、言葉に勢いがない。たぶん、夫も、そいうことも考えていたのだと思う。もしかしたら、すでに、高校時代や大学時代の女友達に連絡をしていたかもしれない。

というのも、驚き方が、前半より、後半の方が少なかったから・・・。
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