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あの日見た桃の思い出

第2章 桃農家


「あ、パール出た」

 とおんりーが言い始めた時、ぼんさんが思い出したようにこちらに話を振ってきた。

「で、さっきのピンポンはなんだったのよ」

「ああ」俺は桃の箱のことを思い出す。「桃っす。あんまり来ないんすけど、今年は豊作だったんすかね」

「え、MENの家って桃農家さんなの?」

 おらふくんは急に興味を持ったみたいにそう聞いてきた。おらふくんが気になってるのは、多分桃の方だろうが。

「いや、ばあちゃん家が桃農家なんすよ」

 と話をして、そういえば今配信中だったんだと流れるチャット欄が騒ぎ出すのを眺める。

 普段は親の家の方に送ってくるはずなのになんで俺のところに……てか住所教えてたんだっけ、と考えている内に、後ろから普通の敵に爆発されてゲーム上の俺は再び初期地に戻される。

「MEN、大丈夫か?」

 さすがに心配してきたぼんさんに、俺はいつも通り煽り文句をぶつけてやった。

「さっき落下死したぼんさんに言われたくないっすね」

「俺は押されたのよ!」



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