第14章 ひととき
「もし、貴方様が見たのが白蛇様の光の魔法なら、私たちがいたところ以外にも、捕まっている蛇がいるのかもしれませんね……」と言うなり、炎蛇は闇蛇の方を見た。「白蛇様は貴方の恩人でしょう? 助けに行かなくていいのですか?」
「え」
こんな嫌な奴のことを、助ける蛇がいたんだ。僕は驚いたけど、闇蛇が何も言わずに向こうを見たから、炎蛇の言葉は本当なんだと思う。
「さっきの場所、どうして蛇がいっぱい捕まっていたの?」
僕はさっきから疑問に思っていたことを口にした。
しばらく黙り込む。炎蛇は何か言いたそうに口を開けて、やがて下を向いてしまった。そしてそっと、ぽつりぽつりと語ってくれた。
「あの場所は、人間様のお屋敷……そして、私たち魔法蛇を裁く場所なのです」