【ヒロアカ】change the truth【R18】
第1章 プロローグ
もう少し読み進めようとページをめくりかけたその瞬間、ポケットに入れていたスマホが軽快な振動を伝えてきた。
画面を確認すると、お母さんからのメッセージが届いている。
「ご飯できるから、そろそろ帰ってきてね」
「……もうそんな時間か」
時計を見てみると、すっかり夕方になっていた。夢中になって読んでいたせいで、時間が経っていたのを忘れていたらしい。
「もうちょっと読みたかったな……」
そうつぶやくと、梨花がにっこりと笑いながら言った。
「じゃあ、続き貸してあげるよ! どうせ続きが気になってそれしか考えられなくなるでしょ?」
「え、いいの?」
「もちろん。面白さを共有するのがオタクの喜びってやつだからね!」
そう言いながら、梨花は本棚から数冊漫画を取り出し、私に手渡してくれた。
「ありがとう! 今日中に読み終わるから明日学校で返すね!」
「わかった!そしたら続き明日持ってくるね!読んだ感想も聞かせてね!」
そんなやり取りをして、私は梨花の家を後にした。