【ヒロアカ】change the truth【R18】
第6章 ふたりきり
「初めて会った時から、俺はお前に惹かれていた」
静かな病室に、相澤先生の低く穏やかな声が響く。
まるで、心の奥底から絞り出すような、真っ直ぐな言葉だった。
私は驚きで息を呑んだ。
元の世界でも、誰かに告白されたことなんて一度もなかった。
それなのに――
相澤先生に、こんなにも真剣に想いを伝えられている。
「先生……」
心臓が痛いほどに高鳴る。
この気持ちは、きっと勘違いなんかじゃない。
「私も、好きです」
勇気を出して、想いを口にした。
けれど、相澤先生は小さく息を吐くと、ゆっくりと首を横に振る。
「いや、お前はきっと、この状況で俺と一緒にいるせいで勘違いしているだけだ」
「違います……!」
慌てて否定する。
だけど、先生は頑なに認めようとはしなかった。
まるで、自分自身を納得させようとするかのように、静かに言い聞かせる。
「いいや、違わない」
そう言って、じっと私を見つめる。
私は何も言えなくなる。
すると、先生はふっと微かに笑った。
「それでもいい。俺はお前の側にいたい」
心の底から絞り出すような、切実な言葉だった。
「こんな感情になるのは……はじめてだ」