【ヒロアカ】change the truth【R18】
第2章 目を開けるとそこは
「彼女、校門の前に急に現れたため声をかけたのですが、どうやら記憶がないようです。刃物のようなもので刺された形跡もあるため、校長に判断を仰ぎたく」
相澤先生の低く落ち着いた声が、校長室にすっと響く。私の状況が簡潔に説明されると、机の上にちょこんと腰かけていた校長が、興味深げに私を見た。
「ほう、なるほどね」
その瞳は、どこか好奇心に満ちているように感じた。
「何か少しでも覚えていることはあるかな?」
軽やかに降りると、トコトコと小さな足音を立てながら私の前に歩み寄ってくる。
「え、えっと……名前は覚えています。でもそれ以外は覚えていないです。気づいたら門の前にいたので…」
私はしどろもどろになりながら必死で言葉を繋げる。