第4章 ようこそ、鬼畜世界?!
「え、えっ?!」
次は足元が花だらけになるハプニング。だけど花だらけならそこまで鬼畜じゃないかも。僕は花を無視して走り出そうとした……。
「うわ?!」
何かにつまずき大きく転ぶ僕。ここってゲームの世界だよね? 小石なんてなかったはず。
しかし次に僕の体は逆さま吊りで空中に持ち上げられ、何に捕まっているのかはっきりと目視することとなった。
大きなツルだ。
こんなの童話でしか見たことないよってレベルのそれが、黄色い花には似つかわしくない程太く逞しいツルで僕の足首を掴んだままどんどん伸びてきた。ツルを解こうにもビクともしない。眼下でMENの姿が見えた。
「MEN、助けて!」
MENは振り向いた。だが、何か様子がおかしい。あまりにも不気味な笑みで「何してんすか」と低い声で聞いてくる。MENってそんな声も出せたんだ……?
「ドズさん、こっちっす!」
カチッと音がし、何かと思った瞬間にはツルは燃やされてあっという間に僕は地面に投げ飛ばされた。目の前には左手で火打ち石を持っているMEN。さっきのMENは、どこに行ったんだ……?
「ソイツは偽物だ!」
「うっ!」
火打ち石を持っているMENが、なんともう一人のMENに蹴り飛ばされて吹き飛んだ。え、どういうこと? 僕は言葉が出てこないまま立ち尽くした。
「ここの本当の企画は□□っす! 早く抜け出さないと俺たちは──」
また聞こえない。どっちがMENなのか。そもそもゲームスキン上で見抜くのは難しいのでは。見た目の違いでもあるのかと思ったが、どちらのMENも既にボロボロで見分けがつかない。
「ドズルさん、騙されちゃダメっすよ!」
今度は背後から声。振り向かなくても分かった。三人目のMENだ。
「どういうこと……?」
僕はなんとか声に出してみたがもう答えはなんとなく分かっていた。
ここは多分「正しいMENを探す世界」だ。