第27章 最後の試練
「みんな、ついて来てる……?」
ゲートを潜ってすぐ、僕は振り向いてみんなを確認しようとした。
僕は息を飲む。
「みんな……どこ?」
後ろにあったはずのゲートどころか、みんながいない。裏切ったのか! とゲーム内なら咄嗟に出てくる言葉も、このよく知らない景色の中だと出てこない。
僕は、黒い枯れ木だらけの森の中にいたのだ。
「おーい! みんな〜!」
大声を出すと遠くまでよく響く。周りは白い霧に囲まれていた。霧ではぐれてしまったのだろうか?
「あ、MEN!」
その時、MENの背中が霧の中から見えたのだ。僕はその背中を追いかけて走り出すが、MENは瞬く間に霧の中へ消えてしまう。
「ちょっと待って、MEN……」
しかしここは霧の中だ。あっという間に見失ったと思ったら、今度はおらふくんの背中が。
「おらふくん、そこにいたんだ……」
けれどもスルリとおらふくんの背中も霧の中へ消え、さすがに妙だと気づき始める。本当に、さっきはMENとおらふくんの背中だったのか?
「そこにいたんですね、ドズルさん」
そこに、おんりーが真正面から現れた。良かった。おんりーの姿はよく見える。僕はゆっくりと歩き出そうとした。
「急がないと、みんなに置いていかれます」
「置いてかないでよ……」
ふわっとおんりーも霧の中へ消えたから、僕は慌てて追いかけたが。
「そっちじゃない、ドズル!!!!」
「ぼんさん……?」
ぼんさんの、大きな声に立ち止まる。声がした方を振り向くが、相変わらず視界は霧でよく見えない。僕は我武者羅に走った。ぼんさん、どこですか。そんなに走ったはずがないのに息が切れて声が出ない。とにかく僕はみんなを探した。
「「「ドズルさん!!!!」」」
え?