第24章 十二個の謎
「お、この苺食べても良さそうっすよ」
警戒心がないのかなんなのか、MENは苺があるゲートに近づいて謎の赤い果物を食べようとしている。毒かもしれないのに大丈夫だろうか?
「味見してみっか!」
しかしぼんさんもMENに乗って苺を食べ始める始末。僕は、少しでも変だと思ったら吐き出して下さいよと釘を刺したが、本当に普通の苺だったみたいで、おらふくんも混ざって一緒に食べていた。
「謎解きですよね」
そこに横からそっと近づいてきて声を掛けてきたのはおんりーだ。僕はおんりーを見、ゲートをぐるりと見回した。
「十二個あるから星座だと思ったんですけど……オオカミ座とか鹿座とかはないですよね」
とおんりーが言うのも、ゲートの前にはオオカミだけではなく、鹿やサメ? もいるのだ。オオカミも鹿もその場からじっと動かないのはある意味不気味だが、サメはゲート前の水槽の中で、グルグル泳ぎ回っている。
「あ、これチョウザメっすね」
苺を食べ終えたMENが、サメのいる水槽を覗き込んでそう言った。確か、いつだったかにMENが映像で撮っていたチョウザメも、こんな見た目だったかもしれない。
「チョウザメとゲート……なんの意味があるんだ?」
だが、このサメがチョウザメと分かった今でも、ゲートの謎解きが分かる訳でもなく。僕は考え込んだ。そしてゲートをよく観察する。
雪の積もっているゲートの隣はミミズが何匹も這っていて近づきたくない感じだ。更に隣のゲートは不思議なことにピンク色をしていて、次のゲートが花まみれ、それから苺のゲートと並んでいた。