第17章 再び
「おんりー! ……ってあれ?」
僕は飛び起きた。だがそこに広がるのは、ゲーム世界のような鮮やかな色ではなく、何度か見てきた黒い景色だった。
見渡してみると、黒い空に黒い海に囲まれた島に僕は倒れていたらしく、そばではおらふくんとMENも倒れていた。
「おらふくん! MEN! 起きて!」
と一人ずつ声を掛けてゆさぶると、おらふくんは瞼を擦りながらゆっくりと、MENは寝坊した! となぜか叫びながら飛び起きて僕はつい笑ってしまう。
とそんなことより、今までの流れから考えると、この島にはおんりーもいるはずなのだが、見当たらない。僕が少し不安になっていると、おらふくんが水際の方を指した。あそこに誰かいません? と。
僕は二人と一緒にその人影に近づいた。見れば見る程その背中はおんりーで、そんなところで何をしているのかと声を掛ける前に、そちらが話し出したのだ。
「俺、変な夢を見ていました」とおんりーがこちらに振り向かずに言った。「自分が鬼になって、ドズさんたちを追いかけていた夢です」
それって、さっきの出来事だろうか。おんりーにはキツイ夢だったかな。まぁ僕が逆の立場でも、あんな夢は二度と見たくない。
「夢だったんだよ。今のここも、きっと」
「えっ」
おんりーはようやくこちらを振り返った。不思議そうな目で僕を見つめるおんりーを見て、良かった、いつものおんりーだと安堵した。
それから僕たちは、黒い空なのに真昼のように明るい島の上で円を囲うように座って今まで起きた話をおんりーにも説明した。おんりーが記憶喪失だったことははっきりとは覚えていなかったみたいだが、MENに酷く煽られたことはなんとなく覚えているみたいだ。
そして話し終えると、島にある謎のオブジェみたいな五つのゲートをみんなで見た。ゲートはやはり一つだけ開通していて、今度はナスの飾りがぶら下がっていて、横には人が掛けるには大き過ぎるサングラスが立て掛けられていた。