第16章 信頼の使い方
ドォーン……!
不思議なことに、その音はダイナマイトの起爆時より大きな音がした。
地面が抉れたようで、僕の体は大きく傾いたが痛みがない。おそるおそる、猫を下ろして周りを確認する。
地面には、大きな凹みが出来ていた。地面がひび割れ、唯一剣を持った人物を中心に広がっている。
「おんりー……?」
か細いおらふくんの声が聞こえた。良かった。二人とも無事みたいだ。(もちろん、犬や猫たちも。アレイは自動回復がついているから無傷らしい、とあとからMENに聞くことになる)。
「……おんりー、生きてるか?」
とMENが言い、地面に剣を刺したまま動かないおんりーへ少しだけ近づいた。
「……った」
「……?」
おんりーから、微かな声が聞こえた。僕は近寄ってその声をよく聞こうとした。
「良かった……みんな無事で」
おんりーは俯いたまま、確かにそう言っていたのだ。