第15章 救出
「ドズルさん、連れてきました!」
おらふくんと合流した僕は、彼が連れてきた犬と猫を見て頷いた。どうやらおらふくんは動物に懐かれやすいみたいで、一撫でするとすぐについて来たみたいだ。
僕の周りにはアレイたちが飛び回っていてクルクルとなんだか楽しげだ。本当に僕の言葉が分かったのか確かめようがないが、ついて来てくれるならやってみるしかない。
おんりーを動物たちやアレイたちで止めるのだ。
「そんなところに……!」
一方のおんりーは、教会らしき屋上で恨めしそうに上空にいるMENを睨みつけていた。どうやったのか、MENの柔軟な発想は僕の思考をいつも貫通していて、なぜか上空に浮かぶブロックの上に居座っていたのだ。
だが、MENの顔色は決して明るくはなかった。エンパのような技を使いこなしてくるおんりーに一気に距離を詰められたらMENの逃げ場はない。あの剣に斬られたらどうなるかって? 考えたくないよ、そんなこと!
「MEN、今助けるからな!」
いち早く駆けつけたおらふくんが、MENの真下辺りでそう声を掛けた。MENの声はうわずっていた。
「早くしないとマズイかも……はっ!」
言いかけたMENの目の前で、おんりーはひらりと飛び上がる。おんりーはMENのいる上空へと飛び移るらしい。
その瞬間、MENは少しでも焦りの気持ちを見せ、一ブロック分しかなかった足場からズルリと踏み外し、そのまま落下してしまったのだ。
「MEN!!」
僕とおらふくんは同時にMENを呼んだ。走って間に合う距離じゃないし、間に合ったところでどう助けるべきか。おらふくんがMENの真下へ急いだが、あの高さから落ちてくる人間を支えることになると、そうとうの衝撃を覚悟しなければならない。
「アレイちゃんたち!」
と僕が言った時には、アレイはすでにMENの方に飛びついていた。僕が見た時よりさらに多くのアレイたちが、MENの服や腕や足を掴んで落下速度を遅くしていった。確かゲームの中で、そういうポーションがあったように、ゆっくりと。
だが状況は変わらない。これだけでおんりーの戦意喪失には繋がらないらしく、MENがいたブロックの上にはおんりーの姿があった。まだ襲いかかってきそうな勢いで睨みつけている。