第14章 鬼ごっこ
「そこにいたんですね」
「え、おんりー、もうそこにいたの?!」
おんりーの冷静に迫ってくる声に、僕はビックリ箱に襲われたような気持ちで飛び上がる。てかMENはどこに行ったんだよ?!
僕はすぐに体勢を立て直して走ったが、背後では息すら切らさないおんりーが追いかけてくる。もう無理じゃん! どうしろっていうんだ!
「あ、ドズさん!」
「MEN……!」
走っていると、ようやくMENの姿を見つけた。MENは悠長にそこに立っていて、呑気に手を振っている。
「MEN、そんなところで何して……」
「あ、それ以上近づくと危ないですよ」
「え」
MENの足元にあったのは赤いブロック。どうやって手に入れたのか、いや、どうやってクラフトしたのか? MENの足元にはダイナマイトと呼べる赤いブロックが沢山置いてあったのだ。
「もっと早く言ってよ!」
と言いながらも僕はなんとか急旋回した。が、おんりーは躊躇いもなく剣を振りかざし……ザクッと刃物が地面に刺さる音が聞こえた。
ドォーン!
何が起爆のきっかけとなったのか、それとおんりーの攻撃に魔法でもかかっているのか、明らかにMENの足元にあったダイナマイトが爆発した。僕の体は爆風に巻き込まれて吹き飛んだ。
「クスス♪」
しかし僕は、何かに支えられてそこまで痛くはなかった。僕は宙で斜めに静止している。僕は自分を支えているのは誰なのか見ようとした。
「ふふふ♪」
そこには、クスクスと笑う青い妖精……アレイがいたのだ。
数匹いるアレイたちが僕の体を支えていて、僕の体を直立にさせると離れてふわふわ飛んで行った。どういう状況なのか分からないが、どうやら今度はMENが追われているらしい。
僕はアレイたちをよく観察してみた。アレイたちは自由気ままに飛び回ってはいるが、傷ついていたり弱っている様子はない。ということは、おんりーのターゲットではないのでは。僕は、そんなふうに考えたのだ。
僕はイチかバチかの作戦に出た。
「アレイちゃんたち! ちょっと手を貸してくれる?」