• テキストサイズ

深淵もまた覗く[dzl]

第7章 雪世界?!


 そうして僕たちは、何もない雪原をウロウロと探索した。出来るだけ僕たちがこの世界にやって来たゲートから離れないようにしていたが、見通しがいいのに何も見つからなかった。
 ただ一つを除いて。
「なんかアレ、怪しくないです?」
 とMENが指す方向に、小さな雪山のようなものがあった。それは一見普通の雪山にも見えたが、怪しいのはそこではない。その雪山の周りだけ雪が積もっていないのだ。
 僕は勇気を持って、雪山のような何かに近づいた。近づけば近づく程、それはうずくまっている誰かのようで、白い衣服を着た人の背中にも見えた。
「あのー、おらふくん?」
「ん……?」
 僕がそう声をかけると、うずくまっていた誰かはゆっくりと体を起こした。白いゆったりとしたパーカーを羽織っている少年は、やはりおらふくんに見えたがどうしてだろう。これってキャラクタービジュアルの方のおらふくんだよな……? あのキャラクターを現実にしたらこんな感じになるんだ。
「あれ、ここどこやろ……」
 とおらふくんみたいな少年が辺りをキョロキョロする。この目の前の少年はおらふくんに違いないが、僕には違和感があった。それは、あとからついて来たMENも気づいていたみたいだ。
「……この人、おらふくんっすよね?」
 と小声で聞いてくるMEN。僕は小さく頷きながら、おらふくんにしては年齢と見た目が合わないと不審に思っていた。
 すると少年おらふくんがとうとう言ったのだ。
「お兄さんたち、誰……ですか?」
/ 48ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp