第3章 もう三年生になったよ〜あっという間の時間。
北side
事件が起きてから二日。
は未だ目を覚さない。
俺のせいやったらどうしよう。
ルーティンでやっている掃除もそう思ってしまう時がある。
起きたら謝らんと。
そう思いながら病室を開けると起きてると目が合った。
話しかけるもいつもと違う雰囲気の。
そして、俺の名前を覚えていないようだった。
まさかこんなことになるとは思わず涙が出た。
しばらくすると、医者が入ってきてしばらく待っていて欲しいとのことだった。
言われるがままに病院のベンチに座り込む。
おとんとおかん、ばあちゃん、姉ちゃんと弟にも連絡せんと。
震える手を無視しながら携帯でメッセージを送信した。
が今起きた。でも俺のことを覚えていない。
もしかしたら記憶喪失かもしれん。
こんな簡単な文章でさえ打つのが心苦しく、歯を食いしばりながら耐えるしか無かった。
「北さんのご家族の方ですよね?ちょっとお話してもよろしいでしょうか?」
さっきのお医者さんに呼ばれ、診察室へと向かった。
そして、更なる新事実を打ち明けられる。
「北さんは部分的に記憶喪失になっていると考えられます…しかし、気になる点が見られます。」
「気になる点とは…?」
「おかしな話しかも知れませんが、北という記憶が無く、代わりに別の人格の記憶がある、という話です。」
「えっと、どういう意味でしょうか?」
「彼女曰く名前はらしいです。そして、驚くべきなのが彼女は東京で働いている24歳であると言われ、あまりにも具体的に話すもんですから警察に言ってそういった方がいらっしゃるかも聞きました。結果はその名前の方は死亡者や行方不明者、届出が出されてる中にもいない、とのことです。」
絶句。
溢れた涙は驚きで全て止まり、頭の中をパンクさせるしか無かった。
あれはであってじゃないってことなんか?
呆けてる間に、おかんもやってきて話を聞くことになった。
しかし、衝撃の内容過ぎて何も頭に入らんかった。
覚えているのは本人も戸惑っているから、優しく接していくこと、というのみ。