第3章 もう三年生になったよ〜あっという間の時間。
目を覚ますとここは知らない天井が見える。
ここは病院?
痛みを堪えながら周りを見るも誰もいない。
分かるものは自分の名前らしいプレートのみ。
ガラっ
看護師さんっぽい人と目が合う。
『お、はよござ、ます…。』
ガッサガサの声だったが寝起きの声なんてこんなもんだろう。
というか、なんで病院にいるんだ?
路地裏で殴られて、誰か電話してくれてここまできたってこと?
「北さん!起きたんですね!今先生呼んできますから待ってはって下さい。」
慌ただしく出ていく看護師。
北さん?あれ、私ってじゃないっけ苗字。
混乱する私をよそに先生が入ってくる。
「おはよう、北さん。痛いところとかあるかな?」
わたしを子どもと思ってんの?もう24ですが?名前も違うし。
『ほっぺと口の中、左胸下の肋骨あたりが特にズキズキしてます。もしかしたら何本か折れてるかもしれないですね。あと、私の名前間違ってると思います。なんですけど…。』
そう話すと目を見開く看護師、そしてお医者さん。
なんでだよ。
「…ちょっとお待ち下さいね。」
そう言い、お医者さん達は部屋から出た。
待て、ここは同じ東京では無いのか?
外を見ても豊かな緑や住宅が並んで、よく見る都会の風景なんてものはない。
ガラ
軽いノックの後にグレーの髪で毛先が黒の男の子がいた。
「!起きたんやな。」
気軽に話しかけてくるが、このイケメンは誰?
『は、い。えと、お名前伺ってもよろしいでしょうか?』
この一言に固まる彼。
地雷かなんか踏んだ?それとも人を間違えたとか?