第3章 もう三年生になったよ〜あっという間の時間。
北side
が泣きそうな顔をしていたのが分かった。
そうさせてしまったんは俺。
泣く顔なんて赤ちゃんの時以外ほぼ無かった。
辛そうな顔にさせてしまったことに俺もズンと心が痛んだ。そんな顔をしてほしゅうなかったのに。
泣きそうになってるとこを悟られたく無かったようで、俺が静止するのも聞かず、外へと逃げる。
流石に夜は春でも暗いし、最近は不審者も出るとのもっぱらの噂だ。
追いかけないと行かん。
追いかけるものの、意外とが素早いようで探せない。
きっと公園おるに違いない。
公園に向かっているとゴンっという嫌な音が近くで聞こえた。
嫌な予感がしてそこへ向かうと、らしき人が知らんおじさんに押し倒されて殴られていた。
地域の人がパトカーやらを呼んだようでその音で、そのおじさんは逃げて行った。
本当は捕まえたりしないと行けなかったかもしれん。
が、そんなことよりのことだ。
力なく倒れる姿にすぐさま駆け寄る。
「!!しっかりせい!」
俺の声も届いてるか分からんが、は俺の目を見て小さく呟く。
『ご、め…ん。しっちゃ…ん』
ごめん、信ちゃん。
こんな時でも俺のことばっか、ほんま優しすぎんねん。
頭から出た出血、そして頬や腹が殴られたようで赤黒い色に変色しているのを確認した。
このまま死んでまうのではないか。
一瞬そんな思考がよぎるが、そう思ってはいかん。
の手が俺の左頬に伸びる。
拭ってくれたのは俺の涙らしい。
その手も力なくパタンと地面に落ちる。
「すまん!俺も言いすぎた。許して欲しい。こんな兄ちゃんですまん。だから帰ってきて欲しいねん。」
落ちた手を握りながら話す。
に聞こえてるか分からんが、ひたすら喋る。
しばらくするとパトカーだけではなく、救急車も来てくれたようで俺も付き添いながら病院へ向かった。
病院の検査の結果は命には別状は無い。とのこと。
しかし、頭部を強く打ちつけてることでしばらくは入院になるそうだ。
殴られた打撲痕も傷としては残らないようだが、しばらくは痣として残るとのことだ。
ただ今は待つしか無い。