第3章 もう三年生になったよ〜あっという間の時間。
ふと今日の出来事でアラン君と友達になったんだなぁ…と思う。
原作には全然近付いていないけど、稲荷崎のメンバーには少しずつ会っていることにも気づく。
双子とアラン君、会っては無いけど大耳君の話も信ちゃんから出てきてる。
信ちゃんも学生ライフを満喫しているようで何より。
かくいう私も中学ライフを楽しんでいるのだが、いかんせんもう3年。
つまり、進路を決める必要があるのだ。
稲荷崎!と決めたいが特に眺めたい以外のやりたいことは無い。あとは勉強をひたすらしないとほんっとうに学力が厳しそうなんだよね今後が。そして、私立故の学費の高さもある。
色々適当な理由を述べたが、最大は他のキャラクターと関わってしまうことだ。
原作も他のキャラクターにも迷惑だけはかけてはいけない、それが推し活のルールである。
あとは私の煩悩の塊がきっと爆発するから、やめた方がいいとなんとなく思う。
近くの高校といっても、稲荷崎が一番近いのでちょっと通学距離が他だと伸びてしまうのは難点でもある。
携帯で他の高校を見ながら探すことにした。
県外のとこ?そんなもんはとっくの昔に考えた、が行くにはそれなりの理由を見つけないと行けないし、一人暮らしになるんだよね。
あ、でも他の高校で出会えるのかもとか思うとそれもいいんだよな〜とか推しがここにいるにも関わらず、見たいと思ってるのもわがままかもしれん。
『今考えてもあれか。決まんないや…』
居間のテーブルに突っ伏しながら呟くと、何悩んどるんか、珍しいな。と素晴らしいのじけんボイスが上から聞こえてきた。
『し、し、信ちゃん!?もしや、聞こえてた?』
思わず顔を上げると風呂上がりでいつもより髪の毛がペタっとした信ちゃんがいた。
風呂上がりですら美しい…だと?流石です!
「おん、最初は寝てんのかと思ってた。でも唸ってるもんやから来てみたんや。…稲荷崎に来るかと思ったったで。別のとこ探しとんのか?」
私の携帯に映った高校をチラッと見て話す。
『あっと、えと…なんと言うか。色々見てみるのもいいかなっていうか、それに稲荷崎は学費もかかるし、勉強だって大変そうやから…。』
最後の方はちょい尻すぼみになったが、まぁいいか。
ふと反応がないと思ってみると、腕を組みながら考える信ちゃん。
