第38章 緋色の実情
椛「…おかえり。」
赤井「あぁ…ただいま。」
椛「今、何時なの?」
赤井「もうすぐ、0時になるところだ。」
椛「そう…」
間接照明だけが照らす室内で、時計の針が時を刻む音がやけに、室内に響いている。
赤井「今日は急に呼び出して、すまなかったな。」
椛「しかも、その呼びだした本人は、いなかったしね。」
赤井「まぁ、そうゆう冷たい言い方はするな。」
椛「ご希望通り、ちゃんと言われた通り見届けたよ?」
赤井「あぁ、優作さんから聞いている。」
椛「ねぇ…
なんで私に見届けさせたったの?
安室透案件だったから?
彼の正体が分かってたなら、わたし今日、ここにいる必要無くなかった?」
赤井「…椛をここに呼びたいと最初に強く言ったのは、あの坊やだよ。」
椛「コナン君?」
赤井「安室透の正体を化かすと同時に、君の口も割らせたかったんだろうな。」
椛「…」
赤井「どうやらそちらは、坊やが納得する成果は…
得られなかったようだがな。」
椛「じゃあ、秀一が電話で『見届けでほしい』って言ったのはあれはじゃあ嘘だったの?
コナン君に協力したかっただけ?」
赤井「いや、あれはあれで俺の本心さ。
今の俺が置かれている実情を、知って欲しかったし…
それに…
椛が大切にしている『降谷零』君に、関連していることでもあったしな。」