第38章 緋色の実情
パタンと扉が閉まると、優作とコナンは部屋を出て行った。
何かを会話しながら、廊下を歩いて行ったのだろう。
部屋を出てすぐは話し声が聞こえたが、どんどんと声が遠くなり…
最後には聞こえなくなった。
椛(流石にシャワーは明日、家に帰ってからで良いかな…
着替えもないし…
お風呂入って、そのまま寝てもいいけど…
ここは人の家で、ホテルでもなければ、自分家でもないしな…
…顔だけ洗わせてもらおう。)
部屋についている洗面室に入ると、化粧を落として顔を洗う。
化粧が落ちるとサッパリして、急にドッと睡魔が襲ってきた。
椛(ダメだ…
いよいよ本格的に眠い…)
掛け布団を上げてそっとベットに腰をかけると、そのまま大の字に横たわる。
体が重力から解放されて、一気に休息モードに入る。
掛け布団をかけると、布団がまた程よい重さでさらに睡魔が襲ってくる。
寝つきの良い椛はそのまま目を閉じると、すぐに寝息を静かに立て始めていた。
夜も更け始めて、日付変更線の時刻も近づいて来た頃。
広い邸宅の廊下を進む人影が一つ。
目当ての部屋の前にたどり着くと、少し控えめにドアをノックする。