第38章 緋色の実情
ここで断るのはやぶさかと言うものだし…
それ以上に、ここは誤魔化しは効かないと思い、優作からの好意を素直に受け取る。
彼女からの返事に納得したのか、柔らかく笑みを浮かべると、椛も返事を返す様に薄く微笑みを返した。
優作「所で、私たちはこのまま、赤井君達がここに戻ってくるのを待つが…
椛さんはどうしますか?
来葉峠からだとまだ、数時間かかりそうだが…
もし自宅に帰るのであればもう外も暗いし、車でお送りしますよ。」
椛「そうですね…
もう正直眠いし、帰りたい気持ちも有りますけど、秀一に一言話したい気持ちも有ります。」
優作「そうしたら、椛さんがもし良ければ、今夜はこのままうちに泊まって行ったらどうです?
ゲストルームは沢山ありますから。
赤井君達が戻ってくるまで、何なら寝てて頂いても構いませんよ?
戻ってきたら起こしにいきましょう。」
椛「…お言葉は嬉しいですけど、流石にそれは申し訳ない気が…」
優作「いや、そもそも呼び出しているのはこちら側ですから。
椛さんはそこはお気になさらず♪」
何ともまぁ、心の広い提案だろうか…
こちらは結局、正体を明かせていないにも関わらず…
そんな人間を自宅に泊めようとは…
椛(まぁ、それぐらいじゃ無いと…
空いてる邸宅に、秀一を1人住ませる事をそもそも、許したりはしないかw
世界的セレブは、やっぱり心も広いんだな〜
心の余裕が違うんだろうな…)