第43章 裏切りの擬装
蘭「こういう事ってよくあるんですか?」
円城「ええ、タマに…
ライブの直前に歌詞ができて、ぶっつけ本番で歌った事も…」
蘭・園子「へぇ〜…」
布施「まぁ、彼の好きなようにさせてあげましょう…」
エントランスで話し込んでいると、その様子を見かけたレコード会社社長の布施が近づいてきて、声をかけて来た。
遠目からでも随分と体の大きな男性は、経営者独特の貫禄がある様に見える。
布施「彼にとって今回のライブが…
最後のようですから…」
そう言いながら、園子たちの輪に加わると足をピタリと留めた。
190cm程あるのだろうか。
広い肩幅に背広を着こなし、近くで見ると経営者というより、格闘家と言われても不思議ではない。
コナン(でかっ!!)
蘭「さ、最後って…」
園子「波土さんが引退するって噂、マジだったの!?」
布施「えぇ…
何度も止めたんだが…
明日のライブでラストで、ファンに伝えるそうだ…」
梶谷「なら、話はついたんですかい?」
布施「ん?」
今度はまた違う人物がこちらに向かって歩きながら、話に入ってくる。
どうやら雑誌記者の様だ。
ヨレた服装に、幸薄そうな表情…
物言いもぶっきらぼうな印象だ。
梶谷「契約期間中に引退するなんてもってのほか…
どうしてもと言うなら、裁判沙汰にして法外な違約金をふんだくってやるって…
息巻いてたというのに…
まぁ、引退するのは他のレコード会社に移籍する為の口実だろうって、憶測も飛んでましたしねぇ…」
布施「なんだあんた!?
どこから入った!?」