第38章 緋色の実情
優作「…椛さんの名前は、偽名では無く本名だった。
降谷零君の事は解けたが…
貴方はいくら調べても、警察官でも無く、どこの組織に属しているわけでも無く…
やはり一般人の様だ。」
コナン「けど、どう考えてもただの一般人では無いよね?
僕たちと同じ探偵なの?
それとも何か警察に…
安室さんに協力してるの?
椛さん自身が、組織を追ってる訳じゃ無いんだよね?
ずっと椛さんを見てて…
そんな様子は感じた事、無かったし。」
『バーボンの正体』という、一つの大きな謎が解けて、このまま彼女の事も解こうというのか。
目の前にいる頭のキレる2人に、椛は矢継ぎに言葉を投げかけられる。
一つでも間違った答えを返せば、その先を推理されかねない。
椛「申し訳ないですけど…
私は自分の事は話せないんです。」
優作「…」
コナン「…」
椛「前に新一君には言ったけど、貴方達の敵では無いし、何か困ってることが有れば力になりたいと思っているのは本当。」
コナン「…そしたらやっぱり椛さんも、安室さんと同じで公安の人間なの?」
コナンの質問に、何を答えるでも無く、少し申し訳なさそうに目を細めて微笑みを向けた。
コナン(椛さん…)
未だ薄暗い室内はシンと静まりかえる。
先程まで少し騒がしかった液晶画面も、今は何も…
動的な物は映っていない。