第38章 緋色の実情
優作「うまくいったじゃないか…
基本は、このマスクに仕込まれた変声機で私が喋り…
マスクを取れと言われたり、答えにくい質問をされた場合は…
ゴホゴホと二度咳払いをした後、変声機に内蔵されたスピーカーを通してお前が答える…
そのモニターで彼の問いや、それに対応する私の動きに合わせて、答えを予測し俊敏かつスムーズに…
そして私が喋りたくなったら一度咳払いをする…
咳払いで声の違いは分からないからな…」
話続ける優作をジト目かつ、少し恨めしそうに見つめるコナン。
優作は変装を全て解こうと、顔に施しているフェイスマスクに手をかけると、思い切り引っ張り破り取った。
優作「上出来じゃないか!!
助演男優賞をもらいたいぐらいだよ!!
と言ってもまぁ…
この賞を最も与えたいのは今モニターの中で頑張っている….
彼女だろうけど…」
優作が目を向けた先には優作の変装をして、代わりにアカデミー賞の受賞式に出席している有希子の姿が映っていた。
優作「母さんに感謝するんだぞ…
私に変装させた後、直ぐに飛行機でアカデミー賞の会場に向かって、私を演じてくれたんだからな…」
コナン「あぁ…
身内の変装は得意だからな…」
コナン(あ…
俺にしてくれた灰原の変装も中々だったな…)
優作「それで?
私がわざわざ身代わりになったFBIの彼は…
またここに来るのか?」
コナン「あぁ…
守んなきゃいけねぇ奴が…
いるからな…」