第37章 緋色の思惑
椛の言葉に返事をするが、何か確認しているのか…
液晶から目を逸らすことは無かった。
そんなコナンの様子をジッと後ろから見る。
以前、質問した内容の返答をまだ聞いてないと思い…
『そろそろタイミングか』と尋ねてみる。
椛「ねぇ、新一君?」
コナン「なに?」
椛「前に、私が考えてみてって言った質問、答え出た?」
彼女の言葉に一瞬、キーボードを叩く指が止まるが、再び動き出すと返答を返す。
コナン「前に椛さんが言ってた質問って、蘭が…
俺が椛さんの立場だったらどうするか?
って話?」
椛「そう。」
部屋の中は、コナンが打つキーボードの音だけが響き渡る。
そのまま部屋の入り口に立っていてもしょうがないので、空いている椅子を引き寄せて、椛は腰を落ち着かせる。
彼らの企んでいる事はまだ判明しないが、まだ時間がかかりそうなので、先程一度閉じたパソコンを再度開くと電源を入れた。
コナン「あの後暫く考えたけど、中々答えは出なかった。
けど…
そのうち、考えるのをやめて、その答えは出さなくて良いことに気づいたんだ。」
椛「…」
コナン「あれは椛さんからの引っ掛けと言うか…
時間稼ぎだったんだね。」
液晶を見つめる彼の横顔。
メガネの奥にある瞳が一瞬鋭く光ったのは、彼女の見間違いでは無いだろう。
椛「…どういう事?」
一切表情を変えずに言葉を返すが…
コナン「ふっ。
もうすぐ答えが分かるさ…」